ドヤ街にいるはずのない少女の犠牲者
家出人が向かう先のひとつとして簡易宿泊所があります。
東京の山谷、横浜の寿町、大阪の釜ヶ崎には、簡易宿泊所の集積した、いわゆる「ドヤ街」があります。
所持金の乏しい男性家出人は、日雇い肉体労働を求めてドヤ街に行ったものです。
しかし、従来は女性が出入りする場所ではありませんでした。
そんなドヤ街で女性の、しかも少女の殺人事件が起きました。
横浜簡宿少女殺人事件の概要
2015年9月、横浜寿町の簡易宿泊所から少女が意識不明との119番通報があった。
消防が駆けつけると、布団の上にあおむけに倒れた少女がいて、その場で死亡が確認された。
警察は、通報者でこの部屋を借りている36歳の男を殺人容疑で逮捕。
男は首を絞めたことは認めているが、殺意は否定している。
少女は鎌倉市の無職の16歳と判明した。
解説
少女が簡易宿泊所にいた経緯はまだわかっていません。
家出なのかどうかもまだ不明です。
にもかかわらず収録したのは、子供が、しかも少女が簡易宿泊所というような場所に行き、事件に巻き込まれる可能性を示したかったからです。
例えば「神待ち」の相手が簡易宿泊所に滞在中で、そこに転がり込むという場合もあり得ます。
この事件はもしかしたらそういうことなのかもしれません。
別のページにも書いているように、家出した少女がいきなりホームレス地域に行って段ボールの家で暮らし始めるなどということが起きています。
簡易宿泊所くらい簡単に行ってしまう可能性はあるのです。
日雇いの肉体労働が減少して、簡易宿泊所は利用者が減っています。
そのため、寿町のドヤにも「女性客歓迎」を掲げるところが出てきています。
そういうところは、明らかに子供に見えないかぎり、年齢確認などもせず、泊めるでしょう。
受け入れ側もOKになってきているわけで、家出少女の行き先はドヤ、ということも十分ありうるわけです。