捜索の成否を決める大切なシーン
捜索の末、ついに家出人が発見されたとしましょう。
肩の荷が下りて、ほっとして涙が出てきそうな気持ちかもしれません。
しかし、説得して家に連れ帰ることが出来て初めて成功です。
あなたが探し出してくれたことを喜んでくれればいいですが、そうならないケースもあります。
そういうことが予想される場合は、接触と説得の方法に知恵を絞りましょう。
帰宅の説得が難しい場合
一時的な感情の爆発ではなく、強固な決意に基づく家出の場合、説得は困難です。
たとえば、親の反対する交際を貫きたいとか、親の反対する進路をどうしても進みたいとか。
あるいは夫のDVや酒乱、ギャンブル癖による生活崩壊から逃れたいとか。
少なくとも「言い分をちゃんと聞くから、いったん帰って話し合おう」という姿勢は示さないと帰宅に応じない可能性が高いです。
どう接し、どう説得するか、よく考えて臨みましょう。
新興宗教の出家などの場合は、その日に連れて帰ることはできないかもしれません。
無理だった場合は、専門家の助けを借りる必要があるかもしれません。
家出理由が予想外の場合
実際に会ってみると、家出の理由が予想していたのと違う場合もよくあります。
突発的な親子喧嘩が原因と思っていたら、教育方針や生活管理すべてに反感を持っており、今まで聞いたことのない進路希望を持っていたとか。
あるいは、まじめなタイプと思っていたので、仕事の重圧が原因と思っていたら、大きな借金を作っていて返済に困ったせいだったとか。
戸惑うかもしれませんが、そういう場合も「とにかくいったん家に帰って一緒に考えよう」と、気持ちで説得していきましょう。
原一探偵事務所での事例
原一探偵事務所を取材した時に聞いた事例を紹介します。
写真入り(顔は目を黒線で消去済)の調査報告書を特別にさらっと見せていただいたので、本当の話です。
男子学生の家出だったのですが、インターネットカフェで発見されました。
探偵は父親と警察に連絡。
警察と探偵が何かあった時のためにこっそり待機した状態で、父親に迎えに行かせました。
「父が自分の足で探し出した」という演出をしたのです。
息子は父の説得に応じ、家に帰っていきました。
もちろん、探偵も警察も姿は見せずに調査は終了しました。
経験豊かな探偵はこんな心配りまでしてくれるのです。