青木ヶ原樹海を捜索する
原一探偵事務所の家出人捜索のビデオを見せてもらうことができました。
今回は富士山麓の青木ヶ原樹海編。
言わずと知れた自殺の名所です。
動画で捜索技術のツボやの生々しい臨場感が伝わってきます。
読者には画像キャプチャ付き解説でお届けします。
【樹海入口に向かう車道】
・家出人が樹海に向かう場合、交通手段は車が多い。運転中の家出人を見つけた時に追えるよう、こちらも車で行く。
【車道沿いの歩道に注意】
・運転中も道路沿いの歩道はよく見て、ひとりで歩いている人がいないか注意する。
【樹海入りの典型ポイント風穴】
・樹海に入っていくポイントは風穴が多い。こちらもまず風穴付近から探す。
【自治体のパトロール隊】
・ここには自治体のパトロールの人もいる。見かけたら必ず話を通し、チラシを見せる。
・これにより、パトロール隊の協力が得られることもあるし、こちらが自殺志願者とか無謀なハイカーと疑われるのも防げる。
【地図で現在位置確認】
・訓練生は地図で現在位置を確認。
【樹海の遊歩道と標識】
・標識があるここは、まだ樹海のほんの入り口。
【道なき樹海の中へ】
・遊歩道から外れれば、捜索者自身が遭難する危険がある。素人は絶対真似してはいけない。
【酒瓶の遺留物】
・樹木の根元の穴に酒瓶がたくさん転がっている。こういう場所は雨風や寒さをしのいだり、一夜を過ごすために家出人が入り込む可能性がある。
・酒は重要な手がかり。自殺を考えている人は、自殺の名所近辺のコンビニなどで酒を大量に買い込む傾向がある。
・捜索対象の家出人が酒好きかどうかを事前に知っておくことも重要。
・家出人が酒好きで新しい酒瓶が見つかったら、近くにいる可能性がある。
【バッグの遺留物】
・捨てられているバッグは中身をチェック。免許証などが入っているかもしれない。
【ステッキで蜘蛛の巣を払う】
・ステッキをぐるぐる振り回しているのは、遊んでいるわけではない。一面に張り巡らされている蜘蛛の巣を払っている。
・普通の森ではこんなに蜘蛛の巣が密集していることは考えられない。
【捜索用強力ライト「イグナス」】
・2キロ先まで光が届く、捜索用の強力なライト「イグナス」
・捜索道具「樹海セット」のキーアイテム。ほかには長靴、ロープ、虫よけスプレーなど。
【「イグナス」の光】
・離れたところから発光してみると、イグナスは昼間でもこんなに明るい。
【ロープも必須】
・ロープも樹海の捜査では非常に重要な装備のひとつ。
【ロープの使い方】
・崖の下などで家出人のものと思われる所持品などを見つけた時は下りて確認に行く。
・その帰りに安全に上ってこれるよう、下りる前にロープを垂らしておくのである。
【ロープをほどく】
・捜索者は、簡単に結べてしっかり固定でき、かつ簡単にほどける結び方をマスターしている。
・サバイバリストのようである。
【樹海を出て、再び車で移動】
【売店に聞き込みに入る】
・山中の売店は重要な情報収集先。やはり地元民はよく見ている。
【売店駐車場から湖畔を確認】
・湖畔でボーっとしていたり、とぼとぼ歩いていることはよくある。
【売店で聞き込み】
・チラシを見せて「こういう人を見なかったか?」と聞く。
・軽装で一人で歩いている人を見なかったか、とも聞く。
・売店のスタッフエリアに(客が見える店内ではなく)チラシ貼を依頼。
・家出人を見ても当人にはチラシのことを教えずに、探偵に連絡してほしいと依頼。
・チラシは効果が大きい。他社以上に効果を上げている。原一は探偵の人数が多く、情報があった時にすぐ動けるため。
・ちなみに認知症老人の場合は、チラシはデイケアセンター、病院などに貼ってもらう。
・ただし、家族が人に知られるのを嫌って望まない場合は、チラシ配布を行わない。
【通常のハイキング客】
・ハイキング客の場合、たいていは仲間がいて単独ではないし、基本は装備もしっかりしている。
・家出人は全然違うので、見かけた地元民は違和感を抱いて記憶に残りやすい。
【狭い車道もチェック】
・こういう狭い道もしっかりチェックする。
【停車中の車に注意】
・山道で停車している車は要チェック。車内の様子も見る。
・中で練炭自殺などしている場合がある。
・あるいは停車場所から森に入り、自殺を決行する場合も。
・車体に降り積もった落ち葉の量などで停車時間が推定できる。
・車が放置されているという報せが入り、その付近を捜索したところ、遺体が発見されたこともある。
【小さな沢に入る】
・車を停めて小さな沢に入っていく。この先に気になるものがある。
【山中の小屋や廃屋】
・山の中の小屋のようなものにも注意。
・不法侵入はしないが、開いた場所から人が入り込んでいる形跡がないかなどはチェックする。