【事件を起こし損害賠償を命じられた事例|認知症老人の家出】

大きなリスクをはらんだ老人の家出

 

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老人も意外に家出の多いカテゴリーです。

 

認知症老人の家出は、当人とともに家族にも大きなリスクがあります。

 

恐るべき損害賠償請求の事例もご紹介します。

意外に多い未発見・当人には死の危険

人生の終わりにさしかかり、虚無感に耐えかねて家出をする老人がいます。

 

配偶者の死や病苦も引き金になります。

 

そういう人は自殺の危険があります。

 

しかし、老人の家出で多いのは、やはり認知症がらみです。

 

当人には「家出をしている」という自覚さえないかもしれません。

 

ボケた頭で遠くになど行けそうにないようにも思えます。

 

すぐ発見されそうなものですが、意外に未発見率は高いのです。

 

保護されても当人が自分の身許を説明できず、自宅とは別の場所で長く収容されることもあります。

 

危険な場所が自分で判断できないので、入り込んで抜けられなくなり、死に至ることもあります。

 

さらに、後で紹介するように、事件などを起こして、家族が莫大な損害賠償請求を受けるリスクもあるのです。

 

名古屋高裁・鉄道事故の賠償命令の件

2007年、徘徊癖のある認知症男性(当時91歳)が電車にはねられて死亡した事故がありました。

 

JR東海は男性の遺族に損害賠償を求める訴訟を起こしました。

 

名古屋地裁の一審は、介護に当たっていた妻と長男に、ほぼ請求額どおりの720万円の支払いを命じました。

 

妻らは控訴。

 

名古屋高裁は長男には見守りの義務はなかったとして請求を棄却しましたが、妻には360万円の支払いを命じました。

 

妻は91才です。しかも要介護1認定です。

 

自分の身の世話さえおぼつかないような老人が、同じ老人で認知症の人の管理をちゃんとしなかったという理由で責められているのです。

 

物理的にそんなことは無理でしょう?

 

しかし、この国はそんな責任まで求めてくるのです。

 

認知症の親が家出して何かの事故を起こしたために、あなたが手に入れたばかりのマイホームを売り、子供を学校にやることも諦めざるを得なくなる・・・

 

そんなことも起きるかもしれないのです。

 

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